Michel FRAPIER

ミッシェル・フラピエ

Michel FRAPIER

1958年フランス・アンジェ生まれ。1983年CNP(フランス国立写真センター。当時の総裁はロベール・デルピール)が主催する若き才能の発掘に主眼を置いた 「MOINS TRENTE」でノミネートされて以来、独自の世界観を展開。遠くにいても、人混みの中にいても、"その人"を見つける力、フラピエの「un autre monde」は、"大切な人を見つけ出す個々人の"視る意志"の存在を提示している。21世紀にふさわしい人間の存在にフォーカスしたストリート・フォトの手法といえるだろう。


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「Les charmes de Tokyo」
Avant de venir pour la première fois à Tokyo, je me faisais l'idée d'une ville très inquiétante et impersonnelle. Ma surprise fut totale dès mon arrivée et mes préjugés ont disparu très vite.
Se perdre dans Tokyo, l'appareil photo à la main est un véritable plaisir, quelque soit le quartier, quelle que soit l'heure. Il y règne une sérénité étonnante, même dans les endroits les plus fréquentés.
La culture traditionnelle est présente dans les endroits les plus modernes, au détour d'une ruelle, au pied des buildings, ce qui rend cette ville très surprenante, un véritable plaisir pour les yeux . Les tokyoïtes sont toujours agréables et souriants, très sensibles et surtout très respectueux, une qualité précieuse...
J'ai eu la chance de venir au printemps, à la floraison des cerisiers, et de vivre la poésie qui plane en cette saison sur Tokyo.
Il m'est impossible de résumer mes sentiments et mon attachement à cette ville en quelques mots, tant j'aurai de choses à dire, tant le charme de Tokyo est grand mais mon envie d'y revenir est immense....


「東京画」
東京のイメージは外国人には不安だらけの、無個性な大都会ではないかと想像していた。
ところが実際に訪れてみて、偏見に満ちた僕の予想はすべて覆された。
カメラを手に道に迷う、どこを歩いていても、どんな時間帯でも、それは僕にとって喜びでさえあった。
随所に静寂に満ちた空間を発見できたし、モダンなビルの立ち並ぶエリアにも、
小さな裏通りにも日本のライフスタイルを感じる伝統的な設えが発見でき、僕たち外国人の目を楽しませてくれる。
人々は微笑みを忘れず、感情豊かで、他人への敬意を忘れない。

桜の季節に東京に来た時、白い花が醸し出す独特の詩情に都市全体がすっぽりと包まれているかのようだった。
東京について述べたいことはたくさんある。ただ僕には、それを言葉で表現することはあまりにも難しい。
僕を魅了する東京にまた戻りたい。


「Charming Tokyo」
Before I visited Tokyo for the first time, I thought this city was insecure and without character, but such prejudice has totally gone away on the very first day.
To be lost in the city with camera in hand, it is a real pleasure for me, whenever the time is, and wherever the area is. I was often freshly surprised by finding calm places in the area I usually stroll around, and I find tradition and culture in modern buildings and back streets. The people of Tokyo are smiling, rich in emotion and respect neighbors.
When I came in the cherry blossom season, I saw a wonderful poetic world of flowers enrobing the city.
It is quite difficult for me to express my good impression to this city in few lines, but I would love to come back to Tokyo soon again.





ミッシェル・フラピエ un autre mondeに寄せて
意志を持つ、優しい視点

遠くにいても、人ごみの中にいても、"その人"を見つける力。
フラピエの「un autre monde」の削ぎ取られたイメージは
そんな個々人がもつそれぞれに異なる"視る力"の存在を提示している。
人間に備わった知覚能力の中でも視力、聴力は高度な方向性を持ち、
"個人的な探しもの"だけを選り分けるパーソナルセンサーを持っている事は既に多くの実験で証明されている。
そして、多くの写真家たちも、猛禽類のように獲物を狙う視点で視覚化してきた。
しかし、フラピエのように"視る力"をエレガンスと詩情を湛えたイメージに置き替えてみせた写真家は少ない。

"あなたの姿を見ていたい"
"あなたの声を聞いていたい"

フラピエのそれは適切な距離を置き、遠目にその人のたたずまいを、そのしぐさを、
その周辺に流れる空気を見守るような視線で追いかける。
世界の大切な姿とは、こんな風に謙虚にシンプルに削ぎ落とした時に見えてくるものなのかもしれない。
視るべきものをしっかり優しく見守る姿勢は、世界の見え方を変えるようだ。
こんな視線が地球を包み込むことを想像するだけで、いつもより優しい気持ちにはなれるのは私だけだろうか。

東京画チーフキュレーター
太田菜穂子

100 PHOTOGRAPHERS100 PHOTOGRAPHERS Describing Tokyo Scapes

私たちの居場所、
東京の価値や存在を
写真を通して、
いま考える。