KANO Chiaki

叶野千晶

KANO Chiaki

1971年千葉県生まれ、東京在住。
思考を視覚として再認識する写真表現に関心を持ち、
京都造形芸術大学の通信教育部芸術学部美術科の写真コースで写真を学ぶ。
実証的なアプローチで制作された「AUSHWITZ - "portrait",camp" 〜存在と不在〜」(2010)など、
近年は個展、グループ展に積極的に参加。


Born in 1971 in Chiba.
Interested in the point which photography makes the personal thought visualized,
she took the photography course of the correspondence education at Kyoto university of art and design.
One of her major works, "AUSHWITZ - portrait, camp ~Presence and Absence" was produced with demonstrative approach.
Actively participated in the group exhibition and solo as well recently.

Still life
戦後に生まれ、平穏な東京で生活を始めてから15年以上の月日が経った。
そんな日常が過ぎていくことに常に不安の思いを駆られ 旅をしていた時期が多かった。
昨年起きた天災は私がいつも感じていた"不安"が形となり襲いかかってきたかのようだった。

―東京で暮らすー

現代を取り巻く"不安"が私を写真へと突き動かしているような気がする。
心の衝動によって形成されるイマージュが、静かに、時に激しく心のなかで繰り返しリフレインする。

井の頭公園に現存する象のはな子と8年前に初めて出会ったときは
こうした心象と正面から向き合い始めたときだったように思う。

人間社会に翻弄され、現代の環境の隅に追いやられながらも決して忘れ去られることがない存在。
こうした象を取り巻くアウラが多くの人を引き寄せているような気がする。

沈黙の空間と時間のなか、内的な意識に問い掛けるようにカメラを構えシャッターを切る。
それが心の内側とシンクロされたあと、それは印画に投影される。

私は忘れてはならない事物や現象を写真に収めることで
忘れかけていた記憶の在り処を呼び戻そうとしているのかもしれない。
そしてそれを切り開くために、意識と無意識の間でフィルターを通して問い掛け続ける。














































KANO
Chiaki

100 PHOTOGRAPHERS100 PHOTOGRAPHERS Describing Tokyo Scapes

私たちの居場所、
東京の価値や存在を
写真を通して、
いま考える。

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